株式会社 トペコおばら

「株式会社 トペコおばら(以下 トペコおばら)」は、栽培面積65.5haを耕作する農業法人である。「地域・農家・自然環境の三位一体農業で地域の活性化に貢献する。地域住民・小原振興会・関係団体と農業者が連携し、農村・地域の基盤を支えながら環境の向上を図る。」を経営理念に平成19年に設立。栽培作物は、お米、もち麦、そば、白ネギ、青ネギなど、多岐に渡っている。

今回は、代表の沖田良次さんに、お話を伺った。


トペコおばら 発足

小原地域の圃場整備の話が持ち上がったことがきっかけで、トペコおばらの前身である「小原営農組合」は発足した。圃場整備に関する補助金の条件として、耕作を持続するための組織づくりが必要だったのだ。

圃場整備は平成16年~23年にかけて行われたが、その半分ほど進んだ平成19年に、次世代の担い手を育てるべく、労働環境整備として、「株式会社トペコおばら」を発足させた。


「法人化に関して、当時は、農事組合法人が主流でした。農事組合法人は、組合員全員で物事を決定していくプロセスですが、私たちは、スピード感と大胆な決断が可能になるのではと考え、株式会社という形を選びました。

トペコの名前の由来は、TOWN(町・地域)、PEOPLE(農家・人)、ECOSYSTEM(自然環境の維持)の頭文字からきています。地域密着で、環境にも優しい農業を目指して、日々取り組んでいます。」


と沖田さん。


ソーラーシェアリングについて

トペコおばらは株式会社フィットと共に、農業と太陽光発電の両立を目指して、営農型太陽光発電設備を設置し、完全自家消費型のソーラーシェアリングを実践している。

営農型太陽光発電設備とは、支柱を立てた農地の上部空間で発電を行う太陽光発電設備である。もち麦の圃場の地上に建てられたソーラーパネルで発電し、その電力で水耕栽培ハウス2haを賄うという実験的な試みである。


「麦が日照不足にならないよう、ソーラーパネルは、高めに設置しています。太陽の動きによって、どこに植えられている麦にもローテーションで日光が当たるような設計にしています。

今後は、ソーラーシェアリング実施による電力コスト削減についてや、環境に優しい農業経営についてなど、農家へのアドバイスを行ったり、固定価格買取制度に頼らない完全自家消費型の新たな太陽光発電の活用を提案していきたいです。」


と沖田さん。

昨今SDGsの採択など、世界的に環境に対しての関心が高まっている中、農業分野において、いち早く環境に対する取り組みをなされている。


キラリモチ

トペコおばらでは、二条大麦のもち性品種である「キラリモチ」の栽培に力を入れている。2014年から取り組んできた作物で、28haの栽培面積を保有、今年は70tの収穫量を見込んでいる。2019年4月に、食の安全や環境保全に取り組む農場に与えられる「JGAP認証農場」の認証を取得。同じく2019年、旭食品と合同で「株式会社キラリフーズ」を設立した。ウェブサイトにて、「キラリモチ」の栄養素やオススメの調理法などを提案する他、オンラインでの販売を実施するなど全国に向けて「キラリモチ」の周知に力を入れている。


「二条大麦のもち性品種である「キラリモチ」は、六条大麦の品種に比べ収穫量は劣りますが、1粒1粒が大きい希少な品種です。私たちは、その美味しさの品質を落とす事なく食べてくださる皆さんへ届ける事を大切にしています。トペコおばらでは、収穫した「キラリモチ」を湿度と温度を徹底的に管理した保冷庫に保存。また、精麦してからの劣化を防ぐため、計量包装機を導入し、自社でパッケージを作るなどして、高品質での出荷にこだわっています。」


近年、健康食材として注目されている大麦。その中で「キラリモチ」は、食物繊維β-グルカンが豊富で通常の品種の約1.5倍含まれているなど、栄養素においても特徴的だ。


「栄養素において注目を集める「キラリモチ」ですが、その美味しさにおいても自信を持ってお届けできます。大麦特有の嫌な匂いがなく香り豊かで、粘りが強く、もちもちした食感も特徴です。」


と沖田さん。


人材育成について

「若い従業員が、昨年3人、今年2人入社しました。急激に若返りしていることもあり、人材育成については、会社としてもさらに充実・発展させていかなくてはならないと考えています。また、日曜日は完全に休業にするなど、体の負担軽減や、労働環境整備に一層力を入れていきたいです。そして、若い人達には、農業に関わる中で、色々なことを身につけていって欲しいと思っています。」


求める人材像

「農業には、プレイヤーでありながらマネージメントもできる資質が重要だと考えています。将来的には、作業しながらも全体の流れ把握しつつ作業管理も行うような方に来ていただきたいです。」



会社概要


社名

株式会社トペコおばら


所在地

〒739-1102 広島県安芸高田市甲田町上小原1315


代表

沖田 良次


業務内容

農場の経営


設立

平成19年


従業員数

30名(正社員 10名 パート 20名) 

akitakata.nougyou

「akitakata.nougyou」は、安芸高田市で農業に従事している農家さんに伺って、私たち消費者の元へが届く農産物が、”どんな人”が、”どんなところ”で、”どんな方法”で、”どんな思い”で、作られているのかを、安芸高田市の地域性と共に紹介するウェブサイトです。

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